新型コロナの影響で足かけ5年かかったが、旅酒全国完全制覇達成の日を迎えた。
「旅酒」をきっかけに、夫婦共通の趣味である旅に更なる楽しみが増えた。見知らぬ土地にも「旅酒があるなら行ってみよう」と思うようになった。「旅酒」が日本中の素敵な場所を教えてくれた気がする。
当初は、お互いに不規則な勤務をしており、休みを合わせるだけでも一苦労。何ヶ月も前から休みを調整しながらだったので、全国制覇は厳しいだろうと思っていた。
だが、コレクションが徐々に増えていくにつれ、全国制覇の夢が芽生えた。計画では2020年前半に達成の予定だったが、新型コロナ感染拡大により感染状況を見ながら長期計画に変更を余儀なくされた。行動制限が解除されてからは、少しずつ旅に出かけることにした。感染対策には細心の注意を払い、常時マスク着用、丁寧かつこまめな手洗い及び手指消毒、旅行中の体調管理はもちろん、列車移動は自由席を優先利用し、他の乗客との距離確保に努めた。宿泊先の感染予防ガイドラインもチェックし、食事は混雑する時間を避けるよう努めた。無事達成できて安堵している。
達成までの道のりを思い返し、経緯をまとめた。
旅の目的地を決めたら、まず情報収集。ベストシーズンはいつか、どうやって行くか、現地での移動手段、旅酒販売店の情報など「旅に出たくなる地図(帝国書院)」と時刻表を広げてプランを練った。車でまわる場合は、一日の走行距離やタイムスケジュール、休憩を兼ねて買い物も楽しめる道の駅やSA等の情報も確認。運転は日没までを目標にし、安全で快適なルート作りを心がけた。
ルートが決まれば、旅酒販売店に在庫確認の電話を入れ、可能であれば取り置きをお願いした。どのお店も快く取り置きに応じていただけ、ありがたく思っている。
まず初めに、私が全国の旅酒を巡るスタンプラリーに挑戦しようと思ったきっかけについてお話しをしたいと思います。
たまたま鎌倉駅前の書店で「旅酒 ガイドブック 」を手にした時、もともと私は旅行が好きで全国の温泉地や酒蔵巡りをしていましたので、肌感覚でこれなら行けると思いました 。
全国の温泉巡りをするきっかけになったのは、札幌国際大学/松田教授の著書「温泉教授の日本百名湯」(光文社)という本を手にしたことでした。内容は、全国の温泉地の中でも特に歴史のある温泉地が紹介されており、温泉の泉質も源泉100%という本物の温泉が紹介されています。 特に、私がこの書籍で感銘を受けたことは、「お風呂は体を洗う場所、温泉は心を洗う場所 」というフレーズでした。今では訪れた 温泉地 の数 は 約 200 ヶ所に上ります 。
次に酒蔵巡りのきっかけになったのは、ワインのソムリエ田崎真也さんの著書「本格焼酎を愉しむ」(光文社)という書籍を手にしたことでした。最初は田崎さんが書籍の中で紹介している焼酎のテイスティング結果を確かめるため、飲食店で本格焼酎を実際に飲んでその味を確かめるのが目的でしたが、いつの日かそれが焼酎を造っている人に会って、どのような気持ちでこのお酒を造っているのかを確かめる気持ちが強くなり、全国の酒蔵巡りをはじめるようになりました。 全国の酒蔵 焼酎・日本酒 を巡って、「本当に美味しいお酒とは、造り手の気持ちが飲み手に伝わるお酒、飲み手の心を酔わすお酒」だということに気がつきました。
また、折角、旅に出るならその土地の郷土料理と地酒を楽しみたいという思いで、居酒屋巡りも併せて行うようになりました。今でも参考にしている書籍に太田和彦さんの著書「居酒屋百名山」(新潮文庫)があります。この本の中で、「食堂はお腹を満たすところ、居酒屋は心を満たすところ 」と太田さんが述べていたフレーズに感銘を覚えました。
以上の要因がすべて兼ね備わったものが、まさに「旅酒(旅+酒)」だった訳です。私の価値観にぴったりとはまったものが「旅酒」だった訳です。
さて、旅に出かける前に旅の計画を練るのも旅の楽しみのひとつと言えますが、次のブログでは旅酒全国制覇に向けてどのような視点で旅の計画を策定したかをお話したいと思います。「 段取り八分、仕上げ二分」という 格言がありますが、旅も同じだと思います。