【地酒コラム – 連載中】第16話 ふる里の地酒を愉しむ~福岡編

2021/04/23
九州のお酒と言えば焼酎のイメージが強いですが、福岡は古くから日本酒の銘醸地で、かつては“九州の灘”と言われていました。酒造米の王様、山田錦の生産量は兵庫県に次いで全国2位です。
太平洋気候区に属する福岡県は、全般的に温暖な気候で、現在は筑後川流域を中心に57の酒蔵があります。

福岡のお酒は、軟水を仕込み水に使用した酒造りが多く、口当たりのまろやかな、やさしい味わいが特徴です。旅酒の蔵元、大賀酒造は“博多の奥座敷”と言われる二日市にある創業以来300年以上続く県内最古の酒蔵で、現在も「手造り・手作業」にこだわりお酒を醸しています。

福岡の代表的な郷土料理と言えば、「鶏の水炊き」や「もつ鍋」といった鍋料理に、濃厚な豚骨スープの「博多ラーメン」や「久留米ラーメン」、「明太子」などがあります。
福岡県はまさに食の宝庫で、「グルメ王国」です。また、初夏の風物詩に「えつ料理」がありますが、えつは有明海にのみ生息する魚で、産卵のため有明海から筑後川に遡上する5月から7月までの期間しか味わえない魚料理です。
二日市には、『万葉集』にも謳われている歴史ある温泉「二日市温泉」があります。お勧めの宿は、ホテルの快適性と旅館の風情をあわせ持つ老舗旅館「大丸別荘」です。

万葉の時代に思いを馳せながら、老舗旅館の季節料理と老舗酒蔵の地酒を満喫されてはいかがでしょうか。