【地酒コラム – 連載中】第41話 ふる里の地酒を愉しむ~石川編

2022/05/26
石川県は、日本海岸式の寒冷な気候で良質な水にも恵まれていることから、古来より「加賀の菊酒」の銘醸地として有名です。「菊酒」とは、菊から滴る「菊水」と呼ばれる水を仕込み水にして醸したお酒です。古来中国では、菊の滴を集めた水は不老長寿の薬になると信じられています。
県内には37の酒蔵があり、日本四大杜氏のひとつ「能登杜氏」による伝統的な作りが主流で、加賀のお酒はコクがあるまろやかな味わいが特徴になっています。また、近年ではやや辛口のお酒を展開する酒蔵も増えて来ています。
小松にある旅酒の蔵元「加越」は、江戸時代から続く老舗酒蔵で、「お客様に喜んでいただける酒造り」をモットーにお酒を醸造する酒蔵です。代表銘柄の「加賀ノ月」は、雑味のない純粋な酒の旨味と自然で奥ゆかしい控えめな香りが特徴です。

  


加賀の代表的な郷土料理に江戸時代から伝わる「治部煮」があります。「治部煮」は、鴨肉や鶏肉の切り身に片栗粉をまぶしたものと麩やせりなどの野菜をだしで煮て、薬味にわさびを添えたもので、祝いの席では欠かせない椀物です。
また、B 級グルメには小松市民に人気の「塩焼きそば」があります。

県内には、和倉温泉や加賀温泉郷(山代温泉、山中温泉、片山津温泉)などの名湯がありますので、加賀の郷土料理と湯めぐりを満喫されてはいかがでしょうか。