【地酒コラム – 連載中】第50話 ふる里の地酒を愉しむ~広島編

2022/10/13
広島県の北部は日本海側気候のため冬場は豪雪地帯となりますが、南部は瀬戸内海式気候で全体としては温和な気候です。
総じて、広島のお酒は口あたりがやわらかく、芳醇で旨味に富む味わいが特徴ですが、北部と南部では気候が異なることから味わいも淡麗から濃醇タイプまでバリエーションに富んでいます。県内には、「兵庫の灘」、「京の伏見」に加えて日本三大銘醸地のひとつ「広島の西条」があります。
安芸の小京都と言われる竹原にある旅酒の蔵元、藤井酒造は創業以来140年以上続く老舗酒蔵で、「酒は人が造るものではなく、自然が醸すもの」をコンセプトにお酒を醸している蔵元です。『夜の帝王』といったユニークなネーミングの日本酒も販売しています。

郷土料理には、味噌を鍋の内側に土手のように塗り、カキや豆腐、野菜などを煮込んだ「カキの土手鍋」や豚肉・鶏肉・野菜類を日本酒と塩・胡椒だけで味付けした「美酒鍋」などがあります。「美酒鍋」は蔵人のまかない料理でした。
また、B 級グルメには、「広島風お好み焼き」、煮干しだしが効いた「尾道ラーメン」があります。お好み焼は、グアテマラ人の店長が経営する「鉄板焼ロペズ」がお勧めです。
映画やアニメの舞台にもなっているノスタルジー漂う竹原の町並みを酒蔵巡りとあわせて散策されてはいかがでしょうか。