【地酒コラム – 連載中】第35話 ふる里の地酒を愉しむ~京都編

2022/02/24
京都は盆地のため、夏と冬、昼と夜との寒暖の差が激しい地域ですが、国内で日本酒の生産量が全国 2 位の酒どころです。
現在、府内には京丹後、宮津、福知山、京都丹波、洛中、山城、伏見の地域に55の酒蔵がありますが、その大半は伏見に集中しています。軟水と硬水の中間である「伏見の水」を仕込み水に使用する京のお酒は、芳醇な香りとまろやかな味わいが特徴です。それ故、伏見のお酒は“伏見の女酒”とも言われています。
旅酒の蔵元、齊藤酒蔵は創業1895年の120年以上続く老舗酒蔵で、全国新酒鑑評会で14年連続して金賞を受賞する名門の酒蔵です。酒蔵の前身は、呉服商を営んでいました。

京都の特産品には、丹波の黒豆、丹波栗、丹後ちりめん、京野菜の漬物などがあります。また、郷土料理には、神社を中心に発展した精進料理の「湯葉」や「湯豆腐」、庶民の知恵から生まれた京野菜を使った漬物や「おばんざい」、茶道の発展に伴い洗練されてきた「京懐石」といった格式高い料理があります。
また、京料理とお酒を味わいながら舞妓さんの踊りを堪能する遊び「茶屋遊び」などがあります。1200年の歴史と伝統が色濃く残る古都・京都で、平安時代に思いを馳せながら京料理と地酒とのマリアージュを堪能されてはいかがでしょうか。