【地酒コラム – 連載中】第47話 ふる里の地酒を愉しむ~鳥取編

2022/08/25
鳥取県は東西に細長い地形で県の全域が日本海に面しており、典型的な日本海側気候です。冬の寒さは厳しく豪雪地帯になっており、寒冷な気候が酒造りに適した土地となっています。中国地方の最高峰、大山の豊富な雪解け水を仕込み水に使用した造りで、鳥取のお酒は、まろやかでふくらみのある味わいが特徴です。

現在、県内には21の酒蔵がありますが、鳥取の酒文化は、日本海で豊富にとれる魚介類を中心とした食文化と共に発展して来ています。
鳥取の旅酒の蔵元、中川酒造は「真の地酒とは、その土地にしかない米と水で造られたもの。そんな本来の地酒を造りたい」という想いでお酒を醸している酒蔵です。その想いから、かつて因幡地方だけで生産されていた幻の酒造米「強力(ごうりき)」を復活させて酒造りに使用しています。

鳥取県は、海の幸や山の幸が豊富です。山の幸では、「らっきょう」や「21 世紀ナシ」、「スイカ」が、海の幸では、「松葉がに」や「紅ズワイガニ」、「白イカ」が特産品になっています。境港は紅ズワイガニの漁獲水揚げ量が日本一を誇ります。郷土料理には、油揚げに生米や生野菜を詰めてだし汁で炊き上げた「いただき」、トビウオのすり身で作った「あごちくわ」などがあります。また、地元で人気の B 級グルメに「ホルモン焼きそば」や「牛骨ラーメン」があります。
豊富な食文化と共に発展してきた鳥取の地酒を満喫されてはいかがでしょうか。