【地酒コラム – 連載中】第15話 ふる里の地酒を愉しむ~福島編

2021/04/07
福島県は、北海道・岩手県に次いで全国で3番目に広い面積で、東北地方の中では比較的温暖な気候です。県内には77もの酒蔵があり、お酒はやわらかい味わいが特徴になっています。また、福島県は、地理的に「山通り(会津)」、「中通り」、「浜通り」の3つに分かれており、地域によって気候風土も異なることからお酒の味わいも多彩で、“味のデパート”とも言われています。

福島の旅酒は、福島県のほぼ中央に位置する郡山市の「笹の川酒造」で販売されています。笹の川酒造は、日本酒、焼酎、ウイスキー、リキュール酒などの多品種のお酒を醸造する珍しい酒蔵です。事前予約が必要ですが、酒蔵や蒸留所、貯蔵庫などを酒造りの歴史を交えながら蔵見学ができます。福島一辛口を謳った「いち」という日本酒を売り出し中です。

また、会津地方には酒蔵に加え、有名な温泉地として東山温泉もありますので、酒蔵巡りとあせて名湯めぐりも楽しまれてはいかがでしょうか。
居酒屋は、会津若松の郷土料理と県内の種類豊富な地酒を堪能できる「籠太」がお勧めです。会津の代表的な郷土料理として、身欠き鰊と山椒の葉を重ね合わせ醤油と酢で漬け込んだ「鰊の山椒漬け」、ホタテの貝柱でだしを取り、豆麩、にんじん、しいたけ、里芋、キクラゲなどを加えて薄味に味を調えたお吸い物「こづゆ」などが名物で、どちらも酒の肴にはぴったりの逸品です。